霊気療法のしおり

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book20160305

[臼井霊気療法学会]

レイキの創設者である臼井甕男(うすい・みかお)氏が立ち上げた臼井霊気療法学会は、戦後はその門戸を固く閉ざし、いつしか自然消滅したと思われていました。

しかし実際は、細々とながらも伝統のレイキを現代に伝承してきたのです。そのことが、この会員向けの冊子から読み取ることができます。

 

この冊子は、昭和49年(1974年)に発行された冊子の内容を忠実にワープロで打ち直して作ったもので、いわば複製と言えます。

最初にこの複製の作成者の但し書きがあり、そのように断っています。また、次のように但し書きを締めています。

この冊子には霊気本来の世界観や考え方、臼井先生の教え、施術の方法など、貴重で重要な内容が多く含まれています。熟読されて、ご自身の日々の霊気・レイキの実践に役立ててください。

 二〇〇七年一二月   霊気・レイキの正しい普及を願う者より

 

本文の前に「まえがき」があり、当時会長だった第5代会長の和波豊一氏が、冒頭で次のように言っています。

臼井霊気療法は、精神療法の一種でして、病気にならないように、日頃から心身を強健に保ち、また、不幸にして病気になった場合でも、ほとんど医薬に頼らないで治療する方法であります。すなわち、霊気療法は、人間の潜在意識に作用して、それぞれの人の身体に持っている、病気治癒能力=自己癒能、の自然の働きに、強い援助を与えて、病気の予防や、治病しようとするのです。」(p.1)

レイキは、民間医療として始まりました。法律によって医師以外の医療行為が認められないため、「治療する」とか「診断する」などと公言することはできません。

しかし、この冊子は会員向けなので、レイキの伝統として、治療を目的として行うことを明言しているのです。

霊気療法が、人間の霊気によって、自己癒能を高めることであるからには、老・若・男女を問わず誰にでもできることであり、その弊害は、全然ありません。誰も、一ぺんこの療法を得ますと、その効果の素晴らしいのに驚くのであります。」(p.1)

レイキの大きな特徴が、ここに書かれています。人間が本来持っている自然治癒能力を高めるもので、もともと人間に備わった能力なので誰でも扱え、しかも弊害がないということです。

このような特徴があるのですから、レイキは使わないともったいないのです。動物が舐めることで病気や怪我の治りを促進するのと同様に、人は手を当てることでそれを行います。

 

本文には、臼井氏の教訓について書かれた部分もありました。

「最近、医科学は、いちじるしく進歩しているから、決して医療、薬などを無視したり、また排斥などすることは、不謹慎極まりない。」
 と固く固く戒められております。
 しかし、
「医薬で、どうしても治らない病は、進んで霊気で治しなさい。」
-と教訓をしておられます。そして、
「霊気で治らない病気はないから、常に浄い魂を持って治療に専念するよう励みなさい。」
との信念を語っておられます。」(p.45)

西洋医学を排除するのではなく、併用することを勧めています。その上で、レイキはあらゆる病気に効果があるのだから、大いに使うようにということなのです。

ただし、
「ここに一つだけ、霊気でも、神仏の祈祷でも治らない病気がある。それは寿命の尽きたときである。すなわち、人の生命には、大人、子供の別なく限界がある。これは、自然の摂理であり、人間の寿命であるから、何とも致し方はない。しかし、その人の寿命と判ったときは、なおさら、最後の最後まで、万全を尽して親切に真剣に治療をしなさい。
 そうすれば、どんな苦病の人でも、実に安らかな往生のできることは確実であるから、努めて実行せよ。」
 と教訓をしておられます。」(p.46)

寿命の場合は、レイキでも治せないと言います。それでも、最後までレイキをしてあげることを勧めています。患者を苦しめることなく、最後の最後までしてあげられることがあるレイキは、とても素晴らしいと思います。

 

「霊気療法の特徴」として、「病腺」というものを取り上げています。

病気のある部位に、手を当てると、病原から出ている何かを感得するのです。之を病腺と名付けております。
 病腺の感じは、病気の種類・程度・病気の上り坂・下り坂等の状況は人によって違いますから、一定はしておりません。全く体験によらなければならないのです。」(p.66)

レイキは、病気の診断はしませんが、悪い部分を特定することができます。私が習ったスクールでは、これを「ヒビキ」と呼んでいます。

本当は、「響き」というのは「病腺」という病原に反応した手の感覚の一種を呼ぶのだそうです。しかし、「病腺」と言うと何か診断をしているようにも聞こえるので、「ヒビキ」という言葉を使うようにしたのでしょう。

 

他に、「毒下し」「交血法」「念達」などもレイキの特徴として書かれています。これらはレイキで行う特殊な療法で、病気に効果があると言われています。

私もこれらの方法を習いました。この冊子でこれらの方法が書かれているということは、伝統的に行われてきたことなのだと思いました。

 

レイキは、アメリカ、ヨーロッパへと広がる中で、様々に変化していきました。それはそれで、レイキの幅が広がったとも言えますが、民間医療としてではなく、癒やし効果のヒーリングだったり、スピリチュアル的なものとして一面が強くなっています。

しかし、本来のレイキは、病気や怪我を治すことを助けるためのもの。そのことを、この冊子は示しているように感じます。

伝統的なレイキについて触れることが、この冊子を読むことで可能になります。この冊子を読めることを、ありがたく思います。

 

※この冊子は、一般の書店では購入できません。私は、レイキを習ったスクールの「香りの森」で入手しました。

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