直傳靈氣

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[山口忠夫/BABジャパン]

レイキを始めた臼井甕男氏から続く日本の伝統的なレイキの中で、一般の人が学べる唯一のものが、直傳靈氣(じきでんれいき)になります。

その直傳靈氣研究会山口忠夫さんが、西洋レイキではない直傳靈氣について書かれた本です。

 

臼井氏が創設した臼井靈氣療法学会は、現在も存在しています。

しかし、門戸を固く閉ざしているため、一般の人はそこで学ぶことができません。

臼井氏から霊授を受けた林忠次郎氏は、ハワイの日系二世、高田はわよさんにレイキを伝えました。それが西洋レイキとなって、世界中に広まりました。

その林氏から霊授を受けたある日本人が、65年以上に渡ってしっかりとそのレイキを守っていました。

その方が山口千代子さん(2003年8月19日逝去)で、著者の山口忠夫さんのお母様になります。

ですから直傳靈氣では、林忠次郎氏がやっていた通りのレイキを、そのまま学ぶことができるのです。

 

伝統的なレイキは、もともと代替医療として行われていたものです。したがって直傳靈氣も、病気や怪我を治すということに重きを置いています。

しかし、靈氣療法の草創期において、靈氣はあくまでも治療を主眼にしたものでありました。現在の日本の法律上、医師や鍼灸師などの国家資格を持たない者が「治療」を標榜することはできませんが、それはそれとして、靈氣に治療効果があることに関しては、65年以上靈氣を実践してきた母・千代子がその生き証人だったといえます。」(p.54 – 55)

したがって直傳靈氣では、病腺(びょうせん)という「病気の原因となる筋肉のシコリやコリ」を探るということが行われます。

病腺「血液やリンパ液が滞ることで起こ」るそうで、それが悪化すると病気になると考えられています。

一番多いのは、まず腎臓のあるあたりに病腺が発生し、それが肩胛骨(けんこうこつ)の内側→肩→ワキの下→首→全身の関節へと広がっていくパターンです。」(p.88)

病腺の種類は「温感」「熱い温感」「ピリピリ感」「響き」「痛み」という5つの段階として感知されると言います。

 

今、海外では、癒しだけの西洋レイキで物足りなさを感じているマスターたちが、日本の伝統的な靈氣を学びたいということで、直傳靈氣を習得しているそうです。

日本発祥のレイキが海外に伝わり、逆輸入される形で日本でも広まりましたが、再び日本から靈氣として輸出する時代になったのです。

日本と霊気、そしてレイキ

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[仁科まさき/MyISBN – デザインエッグ社(Kindle版)]

「マイホーム・レイキ」の著者、仁科まさきさんの電子書籍です。Kindle版、またはオンデマンド印刷のペーパーバックとして購入できます。

この本は仁科さんが、レイキの歴史、社会との関わりについて興味を持ち、それをまとめておきたいと考えて書かれたものです。

 

電子書籍にした理由を、仁科さんはこう言っています。

電子書籍では、分量や内容の制約もないことから、かなり個人的な見解でも自由に書くことが出来ました。

そしてこの本の読者層についても、このように言っています。

本書は、レイキ初心者のための本ではなく、すでに一定の知識や経験を持った読者を前提にしています。

私はどちらかと言えばレイキ初心者なのですが、この本を読むことで、レイキの歴史的な背景や、伝わってきた様子がよくわかりました。

なので初心者かどうかと言うより、そういうレイキの背景に興味があるかどうかが重要なポイントだろうと思います。

もちろん、指導者クラスの人であれば、こういった内容を知っておくことは、指導に深みをもたせる上で重要だろうと思います。

 

この本の章タイトルを書いておきます。

第1章 霊気以前の代替療法
第2章 霊気の始まり
第3章 霊気以外の手当て
第4章 臼井霊気療法学会
第5章 林忠次郎先生
第6章 過去と現在の接触
第7章 戦争への道
第8章 占領下・戦後の日本
第9章 西洋への伝搬
第10章 日本の西洋レイキ
第11章 霊気とレイキの比較
第12章 生き残った代替療法

このように、非常に広範囲にわたって、レイキに関する情報が書かれています。

レイキの枠を超えて、代替医療全般についても触れられているので、当時の日本の状況が想像できますね。

しかも、それらが文献に基づいて書かれているところが、素晴らしい点だと思います。

レイキの世界を深く知るのに、とても役立つ本だと思います。

レイキを学ぶ

レイキを習得するには、マスターから霊授(アチューンメント)を受ける必要があります。

もちろん、ただアチューンメントを受けるだけでなく、レイキそのものやレイキをする方法について学ぶことが大切です。

そのため西洋レイキでは、レイキを3段階に分けて習得するようになっています。

それぞれの段階ごとに約6時間くらいの講習(アチューンメントを含む)を行うところが多いようです。

 

レイキの3つの段階は、それぞれレイキ1、レイキ2、レイキ3のように呼ばれたり、レベル1~3のように表すところもあります。

国際レイキ普及協会では、ファースト・ディグリー、セカンド・ディグリー、サード・ディグリーのように呼んでいます。

この上には、マスター(ティーチャー)と呼ばれる指導者を養成するための講座もあります。

レイキのレベルとしては変わらないのですが、指導者養成講座を受けることで、アチューンメントの方法などを学ぶことになります。

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この4つの段階について、国際レイキ普及協会では以下のように説明しています。

レイキ1(ファースト・ディグリー):レイキエネルギーの回路を開き、レイキのエネルギーが使えるようにする。主に肉体へのヒーリングができる。

レイキ2(セカンド・ディグリー):3つのシンボルとマントラ(おまじないのようなもの)を学ぶことで、心や感情のヒーリング、および遠隔ヒーリングができる。

レイキ3(サード・ディグリー):マスター・シンボルとマントラを学ぶことで、高次元のエネルギーにつながることができ、魂への働きかけや深い瞑想ができる。

レイキ4(ティーチャーズ・ディグリー):他の人のレイキのチャンネル開く方法を学ぶことで、他の人にレイキを伝授できる。

 

それぞれの講座を受けるのに必要な時間や金額、また講座と講座の間に必要な時間や条件は、それぞれの流派や教えるマスターによって違いがあります。

どれが正しくて、どれが間違いと、一概に言えることではありません。

その判断基準についても、それぞれのマスターが独自の見解を持っていますので、その話を聞いた上で、受ける人自身が判断することをお勧めします。

 

なお、上記は西洋レイキの講習ですが、日本で伝統的に行われてきたレイキを引き継いでいる人たちもいて、そこではまた違う段階や講習があります。

その講習を行っている直傳靈氣研究会のサイトから、その内容を書き出してみましょう。(直傳靈氣:一般の人が伝統的な日本の靈氣を学べる唯一の団体)

1日目:前期1 3時間
2日目:前期2,前期3 6時間
3日目:後期1,後期2 6時間

3日間で87,550円となっています。(2014年9月30日現在)

なお、このあとの指導者養成コースは、「師範格認定コース」「師範認定コース」となっているそうです。(「直傳靈氣」p.24より)

西洋レイキとの対比では、以下のようになるようです。

レベル1≒前期1,2
レベル2≒前期3,後期1,2
レベル3≒師範各養成
レベル4≒師範養成
(「直傳靈氣」p.25より)

 

直傳靈氣では、原則として西洋レイキとは別物だとしています。

しかしその流れからして、レイキそのものは同じだと思います。(これもまた、それぞれの判断だと思いますが。)

ただ直傳靈氣は、レイキの発祥に立ち返って、代替療法、つまり病気や怪我の治療としてレイキを行うことを目指しています。

西洋レイキは、その始まりであるハワイでの伝授の時から、治療という目的を捨て、ヒーリング(癒し)として伝えられてきました。

これは現代の日本と同様に、代替療法とするには法律の壁があったからだろうと思われます。

そういう意味で、治療という目的を捨てた西洋レイキと、それを目的とした直傳靈氣は異なるという見解は理解できます。

しかし西洋レイキであっても、表立っては言わないものの、病気治療に使える技術を教えるところもあります。

 

このようにレイキは、様々な流派があって、それぞれのマスターに考え方の違いがあります。

どれが正しいと一概には言えませんので、それぞれ受講される方が判断してくださいますようお願いします。