レイキをすることは、愛の実践と言えるでしょう。
ただ傍に寄り添って、じっと手を当ててあげるだけ。病気や怪我が治るのは、その人の自然治癒力ですから、レイキはそのサポートをするだけです。
このように、治るかどうかも相手の自由に任せ、自分ができることを淡々とすること。それがレイキであり、愛の実践なのです。
愛は、強制しません。相手を縛りません。自由にさせます。ただ無条件に与えるだけです。
このことがよく現れているのが、創設者の臼井甕男(うすい・みかお)氏が唱えたというレイキの五戒です。
ここに、こう書かれています。
「今日丈(だ)けは、怒(いか)るな、心配す(る)な、感謝して、業をはけ(励)め、人に親切に」
これは、レイキをする人の生き方であり、人生の指針でもあります。5つの戒めが書かれているので、五戒(ごかい)と呼びます。
「今日丈(だ)けは」というのは、前後際断して今に生きるということです。将来の不安、過去の後悔はひとまず脇に置いて、今日だけはこれをやろうという考え方です。
人の精神活動の中で最も良くないのが「怒り」であり、次が「不安」だと言われます。ですから、「怒るな、心配す(る)な」と言われています。
私が別にやっている「幸せ実践塾」という活動では、この精神的な部分について論理的に説明しています。
この五戒を実践することは、すなわち愛を実践することだと思います。怒らず、心配せず、感謝して、やるべきことを淡々とやり、他の人には親切にする。こういう生き方をすることが、レイキ実践者に求められています。
この五戒と、病気や怪我をした人を癒やすレイキそのものは、一見、無関係のように思われるかもしれません。しかし、実はそうではないのです。
この五戒が生まれた背景には、レイキによって病気が治っても、またしばらくすると同じような病気になってしまう人が多い、ということがありました。このことに気づいた臼井氏が、病気が根源的に治るためには意識の変革が必要だと感じられて、この五戒を作られたのです。
この五戒は、レイキ実践者の指針ですが、これはレイキ実践者が生き方の手本を示すためのものです。
愛は押し付けることをしません。ですから、患者に対して「このように生きなさい」などと説教はしないのです。ただ手本を示し、そのように生きたいと思ってもらうようにするのです。
ですから、この五戒を実践しないレイキは、レイキ本来の姿とはかけ離れていると言えるでしょう。私は、レイキの魅力の本質は、この五戒にあると思っています。